雪月花




連日のように降る雪。
北の出身でもなく、
これほどまでの寒さに耐久性がなかった当初は
屋外での警備が苦でしかなかったが…。

支給されるコートの薄さも、
視界に広がるこの一面の白銀世界も、
今では当たり前とまで思えるようになった。


目の前には、永遠に降り続くかのような白い雪。
どんな色も覆いつくしてしまうかのような白の世界。


彼女にも見せてやりたい。


無理とはわかっていながらも
幾度となくそんなことを考えてしまう。


この地へ来てから思い出すのはいつも彼女のことばかりだ。
それだけ長い時と想いを共有してきた。
たった一人の自分の片腕。
側にいてやりたいと思っていた。
今はそれすらもかなわないが…。


彼女は今、何をしているだろう…。


雪というものは人をこうも感傷的な気分にさせるものなのだろうか。
それともただ己が女々しいだけなのか。


彼女に会いたい。


彼女もまた見ているだろう月を見上げ、
思いを馳せる…。




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というわけで、「もこ夫、妻に思いを馳せる」でした。
もこロイがリザと離れていることで
ちょっと女々しくなってればいいなぁとか思って書いてしまいました。
でもちょっと女々しくしすぎた。
女々しすぎ。誰だコレは…(自分で書いておいてなんだけど。)
でもこんなへたれ夫も大好きなのですよ。(おそらく増田限定ですが)
本当はリザ視点にする予定だったんですが、
なぜかリザ視点が書けない。
前はリザ視点でしかできなかったのに…。
どうも今はロイ視点の神のみがおりているらしいです。
でもそろそろリザ視点書きたいんだけどなぁ…。
一部の友人に相談した「雪月花」の題名ですが結局そのまま使うことにしました。
「せつげつか」という響きがやっぱり大好きなの。
花もちゃんとありますよ。
「あんなに綺麗な花は他のどこにもない」と増田は思っているはず(苦笑)。
しかし、季節感全く無視ですね。
もこもこが!もこもこが悪いんだ〜!